妊活中の方・妊婦さんの歯科治療

妊娠性歯肉炎が起こりやすい

妊娠中は女性ホルモン（エストロゲン・プロゲステロン）の増加により、歯ぐきが腫れやすくなり、出血や炎症を伴う“妊娠性歯肉炎”が起こりやすくなります。

むし歯のリスクが上がる

つわりの影響で歯磨きがしにくくなり、食べかすが残りやすくなることでむし歯が進行しやすくなります。さらに、妊娠中は唾液の性質が酸性に傾きやすく、歯の表面が酸にさらされることでむし歯ができやすくなります。

胃酸の影響で歯が弱くなる

妊娠中はつわりによる吐き気や嘔吐が多くなることで、胃酸が口の中に逆流し、歯のエナメル質を弱らせる“酸蝕症（さんしょくしょう）”のリスクが高まります。これにより、歯がしみる、むし歯ができやすくなるといったトラブルが発生しやすくなります。

口内炎ができやすくなる

妊娠中はホルモンバランスの変化や免疫力の低下により、口内炎ができやすくなり、治りにくくなることがあります。さらに、ビタミンB群の不足も口内炎の原因となるため、食事の栄養バランスにも注意が必要です。

妊娠中の歯科治療は可能？

妊娠中でも、適切な時期に安全な歯科治療を受けることが可能です。歯の痛みや歯ぐきの腫れなどの症状がある場合、放置すると悪化する可能性があるため、早めの受診が大切です。

妊娠中の抜歯について

妊娠中でも、必要な場合は抜歯が可能です。ただし、妊娠初期や後期は体への負担が大きいため、安定期（妊娠16〜27週）の間に処置を行うのが理想的です。抜歯が必要かどうかは、妊娠の進行や症状の程度を考慮し、歯科医師と相談しながら決定します。痛みが強い場合は、応急処置を行い、産後に本格的な治療を進めることも可能です。

レントゲン撮影の安全性

歯科治療におけるレントゲン撮影は、放射線量が非常に少なく、お腹の赤ちゃんへの影響はほぼありません。当院では、さらに被ばく線量の少ないデジタルレントゲンを使用し、安全性を最大限に考慮しています。

妊娠中の麻酔と薬の使用

妊娠中の歯科治療で使用する局所麻酔は、母体や胎児にほとんど影響がなく、安全に使用できます。ただし、必要最小限の量を使用し、治療時のストレスを軽減することが大切です。当院では抗生物質や鎮痛剤も、妊婦さんに安全とされている薬を処方しますので、ご安心ください。

①つわりで歯磨きが難しい場合の工夫

• 小さめの歯ブラシを使用する
• 歯磨き粉の味や香りが気になる場合は、無香料のものを選ぶ
• うがいだけでもこまめに行い、口腔内の細菌を減らす

②食生活に気をつける

• 甘いものの摂取を控えめにする
• 食後30分以内に歯磨きを行う
• 胃酸で歯が溶けるのを防ぐため、食後すぐの歯磨きは避け、うがいをする

③定期検診を受ける

• 妊娠中期（16〜27週）の安定期に歯科検診を受けるのが理想
• むし歯や歯周病の早期発見・予防ができる
• 出産後は育児が忙しくなるため、妊娠中にケアを済ませておく