歯が抜けてしまったり失ってしまうことは、多くの患者様にとって決して他人事ではありません。
特に大人や高齢の方に多くみられますが、最近では若年層でも何らかの理由で歯を失うケースが増えています。
歯がない状態をそのまま放置してしまうと、様々な身体的・心理的なリスクや不便さが生じてしまいます。
今回は、歯がない状態を放置することによるリスクについて詳しく解説し、その上でインプラントや入れ歯治療を検討する意義についても触れていきます。
歯がない状態のリスクとは?
歯がないことで起こるトラブルは、見た目の問題だけにとどまりません。
歯は咀嚼や発音だけでなく、顎の骨の健康を保つ役割も担っています。
そのため、歯を失ってしまうと噛み合わせのバランスが崩れ、周囲の歯や顎の骨にも悪影響が及んでしまうことが考えられます。
そのほかにもさまざまなリスクがあるため、絶対に放置してはいけません。
歯がない状態を放置することのリスク
歯がない状態は「格好悪い」「噛みにくい」などいろいろな不便さを感じると思いますが、それ以外にも多くの健康リスクがあります。
以下では、欠損を放置することの詳しいリスクを紹介します。
噛み合わせの崩れと歯並びへの影響
歯が抜けたまま放置すると、その空いたスペースに隣の歯が倒れ込んだり、反対側の歯が伸びてきたりします。
そうすると正常な噛み合わせが崩れてしまい、残った歯に過度な負担がかかります。
結果的に、歯の寿命を縮める原因になりかねません。
さらに、噛み合わせの乱れは顎関節にも負担をかけ、顎関節症や頭痛、肩こりの原因となることもあります。
顎の骨の萎縮
歯の根は顎の骨に刺激を与え、その健康を維持する役割があります。
歯がない部分に刺激が伝わらなくなると、骨は徐々に痩せていきます。
これを骨の萎縮と言い、放置すれば顎の形が変形して顔の輪郭にも影響が出てきます。
骨が減少すると、インプラントなどの治療も難しくなる場合があり、将来的な選択肢を狭めてしまう恐れがあります。
食事の不便さと栄養不足
歯がないと食べ物を十分に噛み砕くことができず、飲み込みも困難になります。
特に硬いものや繊維質の多い野菜、肉類を避けるようになり、食事の内容が偏りがちです。その結果、栄養バランスが崩れて全身の健康に悪影響を与えることもあります。
食事の満足感が減ることで食欲が落ち、生活の質が低下することも珍しくありません。
発音や会話への影響
前歯や奥歯が欠損していると、発音に影響が出ることがあります。
特に「さ行」「た行」などの発音が不明瞭になり、人前で話すことに自信を持てなくなる方もいます。
コミュニケーションの障害は、社会生活や仕事にも影響を及ぼす可能性があり、精神的なストレスを生みやすいです。
精神的な負担と見た目の問題
歯が抜けていると、どうしても見た目のコンプレックスを感じやすくなります。
笑顔を作るのをためらったり、会話中に口元を隠したりすることもあるでしょう。
これらは人間関係や自己肯定感に影響を与え、最悪の場合、うつ症状など精神的な疾患を誘発することもあります。
特に、外見を気にする若い患者様にとっては、非常に深刻で大きな問題です。
インプラントや入れ歯治療を検討しましょう
歯がない状態によるリスクを軽減するためには、早期に適切な治療を受けることが重要です。
インプラントや入れ歯治療は、失った歯の機能や見た目を回復させ、生活の質を向上させる効果があります。
ここではそれぞれの特徴やメリットを簡単に紹介します。
インプラント治療の特徴
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。
自分の歯と同じような噛み心地や見た目を実現でき、周囲の歯に負担をかけません。
骨が十分にあることが条件ですが、長期的に安定した噛み合わせを維持できる点が大きなメリットです。
ただし、手術が必要であり、治療期間や費用がかかることを考慮する必要があります。
入れ歯治療の特徴
入れ歯は失った歯の代わりに取り外し可能な人工の歯を装着する方法です。
比較的短期間で装着可能で、保険適用の範囲であれば費用も抑えられるでしょう。
ただし、装着時の違和感や食べ物の感触が変わることがあります。
また、定期的な調整が必要で、長期使用にはメンテナンスが不可欠です。
どの治療も早期の相談が重要
インプラントか入れ歯か、もしくはそれ以外の治療を選ぶか…どの治療法を選ぶにしても、歯がない状態を長期間放置しないことが肝心です。どんな治療を選ぶか迷っている方も、まずは歯科医院で相談することをおすすめします。
早期相談によって、最適な治療計画を立てることができるでしょう。
患者様の生活スタイルや予算、健康状態に合わせた提案を受けることで、満足度の高い治療結果が期待できますので、「こんな治療がいい」「こういう点にこだわりたい」など、お気軽にご相談ください。
