歯周病と聞くと、年配の方がかかる病気というイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし、近年は若い世代でも歯周病の患者様が増えています。
特に10代後半から30代の方で、歯ぐきの腫れや
出血、口臭などの症状に悩む方が少なくありません。
今回は、そんな若年性歯周病の特徴や原因、見逃しやすい症状、そして日常生活でできる予防法について詳しく解説します。
若年性歯周病のリスク
若年性歯周病は痛みが少なく気づきにくいため、気づかないうちに進行しやすいのが特徴です。
放置すると将来的に歯を失うリスクが高まるため、早期の発見と予防が何よりも重要になります。
若いうちから適切なケアを行い、健康な歯ぐきを守っていきましょう。
若年性歯周病が増えている理由と特徴
若い世代で歯周病が増えている背景には、生活習慣の変化やストレス、ホルモンバランスの影響があります。
こうした要因が歯ぐきの健康を損ない、若年性歯周病の発症リスクを高めてしまっているのです。
以下ではその主な理由と、若年性歯周病の特徴について説明します。
若年層で歯周病が増加している背景
これまで歯周病は中高年以降に多い病気とされてきましたが、最近では若い世代の患者様が増加しています。
その理由のひとつに、生活習慣の変化が挙げられます。
現代の若者は糖分の多い飲み物や間食を頻繁に摂る傾向にあり、口腔内の細菌バランスが乱れやすくなってしまっています。
また、忙しい毎日の中で歯磨きができない、正しいブラッシングができていない方も少なくありません。
加えて、スマートフォンやパソコンの長時間使用により姿勢が悪くなり、無意識に口呼吸をしてしまうことも歯周病のリスクを高めています。
こうした複合的な要因が若年性歯周病の増加につながっているのです。
ストレスやホルモンバランスの影響
若年期は身体の変化や環境の変化が多く、ストレスやホルモンバランスの乱れが免疫力を低下させることがあります。
特に思春期や社会人になったばかりの時期は、ストレスを感じやすく歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
ホルモンの影響は女性にとっても大きく、生理前後の歯ぐきの腫れや出血も若年性歯周病のリスクを高める要因となります。
こうした身体の変化に気づき、適切にケアすることが大切です。
見逃しやすい若年性歯周病の初期症状と対策
若年性歯周病は痛みが少なく、自覚症状がわかりにくいため見逃されがちです。
初期の段階での歯ぐきの状態の見分け方と、むし歯がなくても注意すべき理由について解説します。
初期症状の見分け方
若年性歯周病は痛みがほとんどないため、症状を見逃しやすい特徴があります。
歯ぐきが少し赤くなったり腫れたりすること、歯磨きのときにわずかに出血すること、また口臭が強くなるなどのサインを見逃さないようにしましょう。
こうした軽い症状を放置してしまうと、炎症が進み歯を支える骨が溶けてしまう恐れがあります。
異変を感じたら早めに歯科医院を受診し、専門的な診断とケアを受けることが大切です。
むし歯がなくても歯周病は進行する
むし歯がないことを理由に歯ぐきの健康を軽視する方がいますが、むし歯と歯周病は別の病気です。
歯周病は歯の周囲の組織が細菌により炎症を起こし、骨や歯ぐきが破壊されていく病気で、痛みがないまま進行することが多いのが特徴です。
むし歯がなくても、歯ぐきの状態をしっかりチェックし、適切なケアを継続することが健康維持には欠かせません。
若年性歯周病を防ぐために今日からできること
毎日の正しいセルフケアと、定期的な歯科検診、生活習慣の見直しが若年性歯周病の予防には重要です。
以下では、具体的なケア方法と習慣化のポイントを紹介します。
毎日のブラッシングとセルフケアのポイント
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。
しかし、自己流の磨き方では歯と歯ぐきの間の汚れを十分に落とせず、細菌が残ってしまうかもしれません。
まずはブラシの選び方や動かし方を見直し、歯間ブラシやデンタルフロスも併用して歯のすき間に溜まった汚れをきれいに取り除きましょう。
こうした正しいセルフケアを習慣化することが、若年性歯周病の予防につながります。
定期的な歯科検診の重要性
自宅でのケアだけでは落としきれない歯垢や歯石は歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
歯科医院で定期検診を受けることで、歯ぐきの状態を詳しく調べ、早期発見や適切な治療を受けることができます。
特に若いうちからのメインテナンスは将来の歯の健康を守る大きな投資となるため、ぜひ定期的に受診する習慣をつけてください。
生活習慣の見直しとストレス対策
食生活の改善も歯周病予防には欠かせません。
糖分の摂取を控え、間食をダラダラ摂らないようにしましょう。
また、口呼吸を鼻呼吸に切り替えることや、十分な睡眠をとってストレスをためすぎないように心がけることも重要です。
ストレスは免疫力を下げ、歯ぐきの炎症を悪化させてしまう原因にもなります。
規則正しい生活を送り、心身の健康を保ちながら歯ぐきの健康も守っていきましょう。