【ブログ】予防歯科の進んだスウェーデンと、遅れている日本の違い
京都市西京区の井上歯科診療所では、気軽に相談できる地域の歯科医院、そして患者様のお口の健康を見守り続けるかかりつけ医として、虫歯や歯周病の治療だけでなく、それらを未然に防ぐ“予防”にも力を入れています。
小さなお子様からご高齢の方まで、ファミリー単位でお口の健康をお守りいたしますので、気になることがあれば何でも気軽にご相談ください。
本ブログでは、そうした皆様のお口の健康に役立つ様々な情報をお届けして参ります。
今回のテーマは“日本とスウェーデンの予防歯科の違い”についてです。
国として予防歯科に取り組むスウェーデン
国家的なプロジェクトとして予防歯科に取り組んでいるスウェーデンは、世界中で最も歯の疾患が少ない国として認識されています。
では、予防歯科が進んでいるスウェーデンと日本ではどんな違いがあるのでしょうか。
順にご説明していきます。
予防歯科への理解
予防歯科が進んだスウェーデンですが、かつては虫歯や歯周病にかかって歯を失う人が多くいました。
しかし、スウェーデン政府が予防歯科を歯科診療の方針としたことで受診が義務化され、今では全国民が歯科医院でのプラークコントロールや歯科治療、指導を定期的に受けられるようになりました。
スウェーデンでは20歳未満であれば治療やチェックも無料であるため、子供の頃から予防歯科について理解しており、歯の健診や歯の健康の維持は当たり前のこととして習慣付いているのです。
歯科医に対する意識
子供の歯みがきについて、スウェーデンでは生まれる前から両親に対して指導が行われ、乳児の歯が生え始める頃には歯科医院でオーラルケアのチェックを受けることが義務付けられています。
そのため治療が主となる日本とは違い、幼い子供に「歯科医は怖い、痛い」というイメージが付かず、「歯科医院は歯のことを学ぶ楽しいところ」という認識になります。
お口のケアへの取り組みや意識
日本ではデンタルフロスやデンタルリンスなどの使用率が低く、オーラルケアには歯みがきだけで十分だという考えの方が多くいます。
しかしスウェーデンでは歯みがき以外のケア用品の使用率が高く、短い時間でも効率のいいケアが行われています。
70歳で残っている自分の歯の本数
予防歯科を実践してきたスウェーデンでは、70歳の残存歯数が平均値で21本となり、日本の16.5本よりも多くなっています。
成人の歯は28本(親知らずを除く)であることを考えると、70歳でも若い時とそんなに変わらない本数を維持していると言えます。
このように、日本がスウェーデンに学ぶことは数多くあり、近年では日本でも予防歯科に取り組む歯科医院が増えつつあります。
ご自身の歯を健康的に維持するために、定期的な予防歯科の受診をおすすめします。